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ビタミンB6が豊富な食べ物まとめ
世の中には、さまざまな食べ物がありますね。私達の体を動かすには、いろんな栄養素が必要ですが、1種類の食べ物だけでそれを補うのは不可能です。健康でキレイな体のためには、栄養バランスがとっても重要なのです!
大切な栄養素のひとつ、ビタミンB6を補うのにピッタリの食材情報やオススメのレシピ、ビタミンB6の役割などをほそみんがまとめたので、ぜひ役立ててくださいね☆
ビタミンB6を多く含む食べ物
まずは、ビタミンB6を豊富に含む物は何か、ジャンル別に整理しましょう。可食部(食べられる部分)100gあたりの含有量のほか、1回の食事でよく使われる量でも比べていきます。厚生労働省による、「日本食品標準成分表2015年版」を参考にしています。
野菜・果物類
アクセントや風味づけに活躍してくれる香辛料やハーブが多く並んでいます。スパイス類は含有量が多くても、1回の食事で口にする量はあまり多くないかもしれません。
にんにくは、ホイル焼きなどのメニューであれば、多く食べることができますね。フルーツのバナナは一見少ない含有量に思えますが、1回の食事で食べる量として換算すると、多くのビタミンB6摂取が期待できます♪
含有量(mg/100g) | 1回の食事で食べる可食部量 | 1回の食事で摂取できる量 | |
---|---|---|---|
にんにく(生) | 1.53mg | 1/2個(32g) | 0.48mg |
バナナ | 0.38mg | 1本(120g) | 0.45mg |
アボカド | 0.32mg | 1個(140g) | 0.44mg |
プルーン(乾燥) | 0.34mg | 7個(80g) | 0.27mg |
とうがらし(乾燥) | 3.81mg | 2本(6g) | 0.23mg |
にんにく(パウダー) | 2.32mg | 8g | 0.18mg |
バジル(パウダー) | 1.75mg | 8g | 0.14mg |
肉類
肉類では調理しやすく、1回の食事で口にする量が多い豚肉や鶏肉から効率よくビタミンB6を摂取することができます。加工品であるビーフジャーキーは、含まれる塩分も多いので食べ過ぎには注意しましょう。
含有量(mg/100g) | 1回の食事で食べる可食部量 | 1回の食事で摂取できる量 | |
---|---|---|---|
豚ヒレ | 0.76mg | 厚切り1枚(150g) | 1.14mg |
鶏むね(皮なし)・ささみ | 0.66mg | 1/2枚(150g) | 0.99mg |
七面鳥 | 0.72mg | 薄切り10枚(100mg) | 0.72mg |
牛レバー | 0.89mg | 80g | 0.71mg |
ビーフジャーキー | 0.85mg | 40g | 0.34mg |
魚介類
ビタミンB6を摂取するためにおすすめの食材が、魚です!特に赤身の魚は食べやすい上、刺身など生で食べるのであれば加熱によってビタミンが壊れてしまうこともなく取り込むことができます。
含有量(mg/100g) | 1回の食事で食べる可食部量 | 1回の食事で摂取できる量 | |
---|---|---|---|
みなみまぐろ | 1.08mg | 刺身10切れ(150g) | 1.62mg |
びんながまぐろ | 0.94mg | 刺身10切れ(150g) | 1.41mg |
くろまぐろ | 0.85mg | 刺身10切れ(150g) | 1.28mg |
かつお | 0.76mg | 1切れ(100g) | 0.76mg |
きはだまぐろ | 0.64mg | 刺身10切れ(150g) | 0.96mg |
さけ | 0.64mg | 1切れ(100g) | 0.64mg |
海藻類
魚と同じく海産物である海藻にも、100g単位でみればビタミンB6が多く含まれています。しかし、1回の食事で口にする量はあまり多くないため、これだけをビタミンB6の補給源にするのは難しくなります。
含有量(mg/100g) | 1回の食事で食べる可食部量 | 1回の食事で摂取できる量 | |
---|---|---|---|
干しのり | 0.61mg | 3g | 0.01mg |
焼きのり | 0.59mg | 3g | 0.01mg |
豆類
豆類はタンパク質だけでなく、さまざまなビタミンも含んでいる食品です。煮豆やサラダのほか、水煮をカレーなどの具にすると多くの量を食べやすくなりますね。
含有量(mg/100g) | 1回の食事で食べる可食部量 | 1回の食事で摂取できる量 | |
---|---|---|---|
ひよこ豆(乾燥) | 0.64mg | 50g | 0.32mg |
大豆(乾燥) | 0.64mg | 50g | 0.32mg |
レンズ豆(乾燥) | 0.55mg | 50g | 0.27mg |
種実類
栄養がぎゅっと詰まった種やナッツにも、ビタミンBは含まれています。トッピングに少し飾るだけでなく、食材として使うことで栄養をしっかり摂れますよ。スイカの種は煎ってから中身を取り出すことで食べることができ、アジア諸国では広く食べられています。
含有量(mg/100g) | 1回の食事で食べる可食部量 | 1回の食事で摂取できる量 | |
---|---|---|---|
ピスタチオ(煎り) | 1.22mg | 20g | 0.24mg |
ひまわりの種(フライ) | 1.18mg | 20g | 0.23mg |
スイカの種(煎り) | 0.71mg | 20g | 0.14mg |
ねりごま | 0.65mg | 10g | 0.06mg |
穀類
そば粉は、内層粉、中層粉、表層粉などに分けられ、そばの実の外側の部分であるほど栄養価が高くなっています。表層粉は可食部100gあたり0.76mgとかなりビタミンB6が豊富ですが、食感が劣るため、それぞれの粉がブレンドされているものが多いです。米ぬかや小麦胚芽は、健康食品としてクッキーなどの加工品に使われています。ただ、大量に食べるとお腹がゆるくなってしまうことなどもあるため、栄養価が高いからと食べ過ぎないように注意が必要です。
含有量(mg/100g) | 1回の食事で食べる可食部量 | 1回の食事で摂取できる量 | |
---|---|---|---|
そば粉(中層粉) | 0.44mg | 100g | 0.44mg |
米ぬか | 3.27mg | 10g | 0.32mg |
小麦胚芽 | 1.24mg | 10g | 0.12mg |
飲み物
飲み物では、抹茶や玉露などに多く含まれています。お茶を淹れるために使うのは少量なので、多くのビタミンB6を摂取するには不向きといえます。ですが、抹茶や玉露粉は茶葉をパウダー状に加工し、栄養をまるごと摂取できる食品なので、積極的にスイーツ作りなどに使うのがおすすめです。
含有量(mg/100g) | 1回の食事で食べる可食部量 | 1回の食事で摂取できる量 | |
---|---|---|---|
抹茶 | 0.96mg | 2g | 0.01mg |
玉露粉 | 0.69mg | 6g | 0.04mg |
その他
100g単位で見れば、黒砂糖やパン作りに使われるドライイーストなどにもビタミンB6は豊富です。ですが、1回の食事で口にする量は少なめなので、これだけで必要な量を補うのは難しいですね。粕汁や甘酒などの材料である酒粕にも、ビタミンB6が多く含まれていますよ。
含有量(mg/100g) | 1回の食事で食べる可食部量 | 1回の食事で摂取できる量 | |
---|---|---|---|
酒粕 | 0.94mg | 30g | 0.28mg |
黒砂糖 | 0.72mg | 10g | 0.07mg |
パン酵母(ドライイースト) | 1.28mg | 2g | 0.02mg |

含有量が多いか少ないかだけではなく、たくさんの量を食べられる食品かどうかチェックすることも、効率よく栄養を摂取するためには重要ですよ♪
ビタミンB6豊富なおすすめレシピ
食感が楽しい★ピスタチオ入りポテトサラダ
ポテトサラダにピスタチオを加えることで、デパ地下デリのような、ちょっとオシャレな一品に。
マヨネーズが分離しないよう、混ぜ合わせる工程は、じゃがいもが冷めてから取りかかるようにしてくださいね。
- じゃがいも 3個
- 卵(固ゆで) 1個
- 玉ねぎ 1/2個
- ピスタチオ 15粒
- ハム 2枚
- マヨネーズ 大さじ5
- 塩 少々
- こしょう 少々
- じゃがいもの皮をむき、2~3センチ角に切る。じゃがいもと、じゃがいもがかぶるくらいの水を鍋に入れ、小さじ1の塩(分量外)を加えて茹でる。柔らかくなればザルに上げ、ボウルに入れて好みの粗さ・なめらかさに合わせてつぶしておく。
- ゆで卵は荒みじん、玉ねぎは薄切り、ハムは1センチ幅の短冊切りに。ピスタチオは殻をむいておき、好みの大きさに合わせて砕く(ビニール袋に入れ、麺棒などで叩くと便利)。
- じゃがいもが完全に冷めたら、2の具材を全て混ぜて、マヨネーズを加える。塩・こしょうで味を調える。
にんにくたっぷり!エリンギアヒージョ
スペイン料理のアヒージョは、日本でも人気の料理ですね。「アヒージョ」とは「ニンニク風味の」という意味。好みの具材で簡単にアレンジもできちゃいますよ♪
にんにくはみじん切りでもOKですが、香りを感じるだけでなくニンニクも具材として食べるにはスライスするのがおすすめです。
- にんにく 1片
- 鷹の爪 1本
- オリーブオイル 大さじ3
- 塩 少々
- エリンギ 2本
- にんにくを薄切り、鷹の爪を小口切り、エリンギを食べやすい大きさの短冊切りにする。
- 小さめのフライパンやスキレットに、にんにく、鷹の爪、オリーブオイル、塩を入れて弱火にかける。
- 香りが立ったら、エリンギを加え、しんなりするまで中火で炒める。
ピーチ&アボカドのムーススムージー
市販の白桃ゼリーを使うことで、簡単に作れちゃうレシピです。意外な組み合わせに感じるかもしれませんが、ムースのようになめらかな食感に仕上がります。
食欲のない朝に食べてもいいし、デザートにもぴったりですよ。しょうがとレモンの香りがアクセントに。
- 白桃ゼリー 1個(150g)
- アボカド 1/2個
- レモン果汁 小さじ1
- しょうが 1かけ
- 全ての材料をミキサーにかける。
栄養満点!豚肉カラフルスパイシー丼
ビタミンB6の含有量が多い豚肉と野菜を使った、甘辛でカラフルな野菜炒めです。にんにく&とうがらしの風味が食欲をそそりますね。
ビタミンB6は水溶性なので、炒めたあとの汁ごとご飯にかけることで、栄養を逃さず摂取できます。
赤ピーマン・黄ピーマンの種やワタは捨てるものと思いがちですが、栄養たっぷり。一緒に炒めれば食感も気にならずおいしく食べられます♪
- にんにく 1かけ
- とうがらし 1本
- オリーブオイル 大さじ1
- 豚肉(赤身の切り落とし) 100g
- 赤ピーマン 2個
- 黄ピーマン 2個
- ししとう 6本
- 砂糖 大さじ1
- 醤油 大さじ2
- パセリ 少々
- ごはん お好みの量
- 赤ピーマン、黄ピーマンは、ヘタのみ取り除き、縦向きに切る。種やワタは捨てずに、後で一緒に調理します。ししとうはヘタを取り、縦に切り込みを入れておく。
- みじん切りにしたにんにく、小口切りにしたとうがらし、オリーブオイルをフライパンに入れて弱火で熱する。
- 香りが立ったら、豚肉を入れ炒める。
- 豚肉に8割がた火が通ったら、赤ピーマン、黄ピーマン、ししとうを入れ炒める。
- 野菜がしんなりしてきたら、砂糖を加えてなじませながら炒める。
- 砂糖の粒が溶けたら、醤油を加え、さらになじませる。
- 好みの味付けに調えたら、ごはんの上にタレごと盛り付け、パセリを散らす。
まぐろソテーwith粒マスタードソース
生でおいしく食べられるまぐろは、ソテーにしても醤油が香ばしい一品になります。
刺身用であれば表面を炙る程度でも大丈夫ですが、加熱用のまぐろを使う場合は中心まできちんと加熱してくださいね。
- まぐろ 150g
- 塩 少々
- 料理酒 大さじ1
- にんにく 1かけ
- サラダ油 大さじ1
- 醤油 大さじ1
- みりん 大さじ1
- バター 小さじ1
- 粒マスタード 小さじ1/2
- まぐろを好みの厚さに切り(すでに刺身用に切られている場合はそのまま)、軽く塩を振って料理酒と和えておく。
- すりおろしたにんにくとサラダ油を弱火で熱し、香りが立ってきたら、まぐろを炒める。まぐろの表面の水分をキッチンペーパーで拭きとっておくと、より風味がよくなります。
- まぐろの両面を焼き、加熱用のまぐろは中心まで火が通ったら(刺身用のまぐろは好みの焼き加減で)、フライパンから取り出して盛り付ける。すりおろしたにんにくが、フライパンに残っていてもOK。
- 同じフライパンに醤油とみりんを入れて火にかけ、煮立ったら火を止めてバター、粒マスタードを加えて混ぜる。もりつけたまぐろにソースをかけて、完成。
サイコロアボカドと香ばしピスタチオのサラダ
ビタミンB6の含有量が多い、アボカドとピスタチオが主役のサラダです。シンプルなレシピなので、好みの岩塩やハーブソルトなどでアレンジするのもおすすめ。
ただしピスタチオはすでに塩で味付けされているものもあるので、塩を入れ過ぎないように注意してください。
サンドイッチに挟んだり、冷製パスタなどに合わせてもおいしいですよ☆
- アボカド 1個
- レモン汁 小さじ1
- ピスタチオ 10粒
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩 少々
- にんにく 少々
- アボカドは種を取り除き、皮をむいて、サイコロ状にカット。色が変わらないよう、レモン汁と和えておく。
- ピスタチオは殻をむいて、フライパンで煎ったあと、好みの大きさに砕く。
- すべての材料を混ぜ合わせる。アボカド以外の材料を全て混ぜておき、最後にアボカドを加えると、アボカドの形崩れを抑えることができます。

こうやって作り方を見ると、自分もキッチンに立ってみたくなりますね♪
ビタミンB6の効果的な摂り方
成人の1日の推奨量は1.2~1.5mg、上限量は45~60mg
厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、ビタミンB6の食事摂取基準は年齢や男女の違いによって細かく分けられています。幼児期は必要とする量が少なくて済みますが、成長期には15~17歳の男性は1.5mg、12~17歳の女性は1.3mgが推奨量となっています。
男女ともに18歳以降は推奨量は一定で、男性は1.4mg、女性は1.2mgです。ただし、妊婦は1.4mg、授乳中の女性は1.5mgと多めに栄養を摂取することが推奨されています。
1日に摂取する上限量は、年齢によって多少バラツキがあります。
男性は18~29歳で55mg、30~49歳で60mg、50~69歳で55mg、70歳以上は50mgです。
女性は、18~69歳で45mg、70歳以上で40mgとされています。
この上限量は、食事から摂取するビタミンB6の量ではなく、ビタミンB6の一種でピリドキシンと呼ばれる化合物を過剰摂取した場合として計算されています。
ビタミンB2と一緒に摂る
各種ビタミンは、体内に取り入れればそのまま働くものではなく、酵素などの働きによって他の成分に変化することで効果を発揮します。
例えば、ビタミンB6はピリドキサルキナーゼという酵素によってピリドキサールリン酸などに変化し、体内でのヘモグロビン合成などに関われるようになります。
実は、ビタミンB6からピリドキサールリン酸などが合成されるとき、補酵素としてビタミンB2が必要になるのです。
ビタミンB2は、レバー、卵、納豆などに多く含まれます。ぜひ一緒に食べるようにしたいですね。
アルコールを控える
ビタミンB6を効率よく摂取したいなら、可能な限りアルコールを控えるのがベターです。
というのも、アルコールが体内に入ると肝臓でアルコールを分解するためにビタミンB群が多く消費されてしまうから。
お付き合いの席などで断れないという場合は、過剰に摂取しないことを心がけましょう。
また、できるだけビタミンB群が豊富な料理やおつまみを選ぶのも大切です。卵や豚肉を使ったメニュー、冷奴、ナッツ類などがおすすめです♪お酒を飲む前後には、サプリなどでビタミンを補給するのもいいですね。
ビタミンB6のおすすめサプリ
ネイチャーメイド ビタミンB6
大塚製薬から販売されている、「ネイチャーメイド」シリーズ。知名度もあり、信頼性が高いですね。
バランスよくビタミンやミネラルを補うため、マルチビタミンやマルチミネラルなどのベースサプリメントと併用して、個別ビタミンのサプリを活用することが推奨されています。
- 商品名 ネイチャーメイドビタミンB6
- 内容量 80粒(40日分)
- 価格 680円(税抜)
- 1日あたりの価格 約18円
- 2粒(1日分)に含まれる栄養成分 ビタミンB6:40mg エネルギー:2.38kcal
- 販売元 大塚製薬
LIFE STYLE B-50 コンプレックス
サプリメント大国と言われるアメリカで支持されているシリーズの一つが、「LIFESTYLE」です。防腐剤や人工着色料、人工甘味料などを一切使わずに製造されています。
「コンプレックス」という商品名の通り、ビタミンB群を複合的に補うことができるサプリメントです。
水溶性ビタミンであるビタミンB群をより効率よく吸収できるように、ミクロサイズカプセルを利用したタイムリリース加工が施されています。
- 商品名 LIFE STYLE B-50 コンプレックス
- 内容量 60錠(60日分)
- 価格 2,700円(税込)
- 1日あたりの価格 45円
- 1粒(1日分)に含まれる栄養成分 ビタミンB1:50mg ビタミンB2:50mg ビタミンB6:50mg ビタミンB12:50mcg ナイアシン:50mg ビオチン:50mcg パントテン酸:50mg 葉酸:400mcg エネルギー:0.5kcal
- 販売元 LIFESTYLE
「LIFE STYLE B-50 コンプレックス」の詳細は、コチラ!
ビタミンB6の効果・効能
筋肉づくり
筋肉を作るために必要な栄養素といえばタンパク質。美しく痩せるためのダイエットでも、タンパク質はとっても重要ですよね。
ですが、タンパク質という材料だけでは筋肉は作られないんです。タンパク質を食事で摂取すると、栄養を吸収するために分解され、アミノ酸という最小単位に細かくなります。そして血液によって運ばれ、体の各部位で再びタンパク質として合成される、というプロセスを経ています。
この時のタンパク質の分解や合成のために、補酵素として働いてくれるのがビタミンB6。筋肉を作るためにはビタミンB6が欠かせないのです。
肌・粘膜や髪を健やかに維持する
タンパク質で作られているのは、筋肉だけではありません。肌や粘膜、髪、爪などの素材もタンパク質です。
ビタミンB6をしっかり補うと、タンパク質の分解・再合成がスムーズになるので、肌や髪の状態を正常に保つことができます。
つわりの緩和
妊娠初期の悩みの一つである、つわり。吐き気や胃のむかつきなど、消化器官の不調を感じることが多く、悪阻(おそ)とも呼ばれる症状です。
メカニズムははっきりしていませんが、ホルモンバランスが不安定になることや、トリプトファン(アミノ酸の一種)の代謝がうまくいかないことが症状を引き起こす原因ではないかと考えられています。
ビタミンB6をしっかり摂ることで、タンパク質からアミノ酸への分解、アミノ酸からタンパク質への合成が促される結果、不快感が軽減されるのです。
月経前症候群の改善
ホルモンの働きによって起きる、PMS(月経前症候群)に悩む女性は多いもの。腹痛や頭痛、貧血、肌荒れなどのほか、精神的なイライラや不安などが起こることもありますね。
ビタミンB6にはホルモンバランスを整える働きもあります。
肌荒れケアのためには、先ほどご紹介したビタミンB6がタンパク質の分解・再合成をサポートする役割も重要ですね。
またビタミンB6が多く含まれるレバーや魚にはビタミンB12も含まれています。ビタミンB12は体内の造血に関わる栄養素。ビタミンB6をしっかり摂る食事を心がければ、同時に貧血改善も期待できますよ!
うつ症状の改善
うつ病とは、一時的な気分の落ち込みではなく、脳内の働きの不調が原因と考えられている症状です。
脳内の神経伝達物質には、セロトニン、GABA、ドーパミンなどがあり、全てタンパク質から合成されます。これらの変化の際に、ビタミンB6が補酵素として不可欠なのです。セロトニンは精神を安らげ、GABAはストレスを軽減し、ドーパミンは意欲を高めてくれます。
ビタミンB6を十分に摂ることで、脳内の神経物質の不足を防ぐことができるのです。
アレルギー症状の改善
ビタミンB6は私達の体の免疫機能を正常に保つ役割も担っています。
ビタミンB6をしっかり摂ることで、免疫システムのエラーによって起こるアレルギーを抑えるだけでなく、タンパク質からアミノ酸への分解、アミノ酸からタンパク質への再合成をサポートすることができます。この結果、肌や粘膜にあらわれたアレルギー症状を軽減することも期待できるというわけです。
動脈硬化を予防
動脈硬化とは、血管が硬くなってしまう症状のことです。
1960年代のアメリカで、若くして動脈硬化を患ってしまった人々の観察をしたところ、血中のホモシステイン値が非常に高いことが分かりました。
ホモシステインとは、必須アミノ酸のメチオニンが体内で分解される過程で生まれる物質です。ホモシステインは、ビタミンB6のサポートを受けて肌のターンオーバーなどに関わるシステインへと変化します。
実は、このホモシステインが体内のコラーゲンを劣化させるのではないかと考えられているのです。
血管の主な成分はコラーゲン。コラーゲンのしなやかさや弾性が失われると、血管が硬くなります。
ビタミンB6のサポートによってホモシステインをシステインに代謝してくれるため、動脈硬化を予防する効果も期待できるのです。

特にお肌や髪への効果、精神的に安定させてくれる効果は見逃せません♪
ビタミンB6欠乏症の症状
ビタミンB6は、腸内細菌も合成してくれるため、他のビタミン類に比べると欠乏症になりにくいと言われています。しかし、現代の食生活やライフスタイルでは腸内環境が乱れていることもしばしばです。
ビタミンB6が十分に摂れていない場合、次のような症状が出てしまいます。
神経障害
これまで紹介してきたように、ビタミンB6は脳内の神経伝達物質が正常に分泌されるために欠かせない栄養素です。
脳内の神経伝達物質は、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどさまざまな種類があり、それぞれが相互作用しながら感情や意欲などを微調整しています。
ですがビタミンB6が不足してしまうことで、神経伝達物質の分泌バランスが乱れてしまいます。精神的な不安を覚えたり、少しのストレスが強いショックとなってしまったり、けいれんが起こってしまう可能性もあります。
皮膚や粘膜の炎症
タンパク質がアミノ酸へと分解され、体の必要な部位で再びアミノ酸からタンパク質へと合成される過程にも、ビタミンB6が必要です。
ビタミンB6が足りない状況では、スムーズにタンパク質が分解・合成されず、肌や粘膜の新陳代謝がとどこおってしまいます。吹き出物、ニキビ、湿疹、肌あれ、鼻炎、目のかゆみなどの症状がひどくなれば、炎症を引き起こすこともあるのです。
免疫低下
ビタミンB6が十分に足りていない状況では、免疫システムにも影響があります。免疫力が低下した結果、上記のような、肌あれやじんましんなどの皮膚トラブルが発生してしまうこともあるので注意が必要です。
免疫細胞の多くは腸に存在しますが、肌など目に見える部分だけでなく体内の粘膜に不調をきたしてしまうケースもあります。
免疫力が下がってしまうと、私達の体が本来持っているはずの抵抗力がうまく働くことができません。風邪を引きやすくなったり、アレルギー症状が強く出てしまったりします。
ビタミンB6の過剰摂取によるリスク
ビタミンB6は水溶性ビタミンなので、日常の食生活で過剰に摂取してしまう心配はほとんどありません。ですが、サプリメントを飲んでいる場合、許容量を超えて摂取してしまうことがあるため、注意が必要です。きちんと表示を確かめてから飲むようにしましょう。
神経・感覚障害
手足のしびれや感覚がマヒが、ビタミンB6の過剰摂取によって引き起こされることが分かっています。末梢の神経で、何らかの神経や感覚に対する障害が起こってしまうのです。歩行障害など、体の制御が難しくなってしまうケースもあります。海外では、痛みを伴う皮膚疾患や光線過敏症、胸やけなどの事例も報告されています。
結石ができてしまう
結石は、腎臓などにシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどが固まって発生します。結石が狭い尿路に移動すると神経を圧迫し、激痛を引き起こします。適度な量のビタミンB群とマグネシウムを摂取することで、腎臓で尿が作られるときにカルシウムを蓄積させずに済むので結石の予防になります。ですが、体が許容する量を超えてビタミンB6の摂取を続けると、腎臓への負担が大きくなりすぎてしまうため注意しなければなりません。
1日の目安量を守って正しく摂取しよう
私達の体には欠かせない各種のビタミンやミネラル。特にビタミンB6は、肌あれや口内炎などの不調が起こることで「足りていないのかな?」と気づきやすい栄養素です。ビタミンやミネラルは、相互に作用し合いながら働いてくれるので、バランスよく摂ることがとっても大事。サプリメントの力も借りつつ、その用法用量のルールをきちんと守るようにしてくださいね♪